認知症の基礎知識
「老化によるもの忘れ」と「認知症によるもの忘れ」の違い
「ご飯を食べたことを忘れた」は
認知症の可能性があります
ひどいもの忘れ(記憶障害)が認知症の症状であることは知られていますが、「老化によるもの忘れ」と「認知症によるもの忘れ」はどこが違うのでしょう。
自分が体験したことの一部分を忘れる場合は老化によるもの、体験したことを丸ごと忘れてしまう場合は認知症の可能性があります。
例えば、前日の晩ご飯に何を食べたかを忘れた場合は「老化によるもの忘れ」の可能性が高く、晩ご飯を食べたこと自体を忘れている場合は「認知症」の可能性が高いということです。
認知症の種類と比率
認知症とは病名ではなく、症状を指す言葉であり、認知機能の低下を引き起こす病気は100以上あるとされています。その中でももっとも多いのが、長期間にわたって緩やかに進行するアルツハイマー型認知症で、全体の60%以上を占めます。
さらに脳梗塞などの脳血管障害が原因となって起こる血管性認知症が約20%、幻視を見るのが特徴のレビー小体型認知症(認知症を伴うパーキンソン病を含む)が数%です。この3つが「三大認知症」です。
それぞれに症状の現れ方や進行速度などが異なるため、それぞれの病気に合った治療をする必要があります。また、「三大認知症」の病気の中には適切な治療を行えば、回復する可能性のある病気もあります。何よりも大切なのが早期発見・早期治療なのです。
監修:新井平伊医師(アルツクリニック 東京院長)