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MCIってなに?

MCIとは、健常と認知症の間の状態

放置すれば認知症に移行するリスクがありますが、健常に戻ることもできる状態です

認知症という病気になってしまう前のMCI(軽度認知障害)と呼ばれる状態について説明します。

認知症になる前の段階にMCIと呼ばれる時期があります。MCIの時期は、記憶障害など一部の認知機能に低下が認められていますが、食事や入浴、着替えといった基本的な日常生活はおおむね問題なくこなせる、健常(特別な異常がなく健康な状態)と認知症の間のグレーゾーンの状態です。

しかし、そのまま認知機能の低下が続けば、認知症に移行する可能性があるとされており、この時期に適切な対応をとることがとても重要です。
アルツハイマー病の場合は通常、自覚症状の全くない状態(プレクリニカル期)から20年以上かけてゆっくり病態が進行して、最終的に認知症に移行しますが、すでにMCIの症状が出ている場合は、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβが脳内にかなり蓄積していることがあります。

認知症に移行せずにすむ確実な方法があるかどうかは、まだ研究段階ではっきりといえませんが、食習慣の見直しや適度な運動といった生活習慣の改善をして、周囲の人とコミュニケーションをとるなど、認知機能を積極的に使うことによって、認知症の発症を防いだり、病態の進行を遅らせたりできるといわれています。

認知症と違い、MCIの場合は健常レベルに戻ることがありますので、早期に発見し、早期に対応することが必要です。

監修:朝田隆先生(東京医科歯科大学特任教授、メモリークリニックお茶の水院長)