「認知症」を題材にしたおススメ小説6選
2020年07月03日
「認知症」を題材にした小説を6本ピックアップしてご紹介します。
認知症患者や認知症と関わる人を通じて、新たな気づきや生きる糧になることもあるでしょう。
幅広い世代の方にも楽しんで頂けるような作品を集めましたので、是非チェックしてみてください。
- 『徘徊タクシー』坂口恭平 著 新潮社 (2014年)
- 『百花』 川村元気 著 文藝春秋(2019年)
- 『少年と犬』 馳 星周 著 文藝春秋(2020年)
- 『メモリー・ウォール』 アンソニー・ドーア 著 新潮社(2011年)
- 『静かなアリス』 リサ・ジェノヴァ 著 講談社(2009年)
- 『テッドがおばあちゃんを見つけた夜』ペグ・ケレット 著 徳間書店(2011年)
目次
『徘徊タクシー』 坂口恭平 著 新潮社(2014年)
【第27回三島由紀夫賞】の候補作となった『徘徊タクシー』は、故郷・熊本で認知症の曽祖母・トキヲと再会した主人公が、徘徊老人たちが記憶の中にある場所を目指していることに気づき、時空を超えて無事に目的地に届ける「徘徊タクシー」という事業を思いつく。土地に堆積した時間と視線を浮かびあがらせ、世界の見方を変えることで現実を多様に捉えることが出来るという坂口のビジョンを示すとともに、爽やかな読後感をもった青春小説となっている。
『百花』 川村元気 著 文藝春秋(2019年)
認知症と診断され、徐々に息子を忘れていく母を介護しながら、主人公の泉が母との思い出を蘇らせていく。ふたりで生きてきた親子の、ふたりが一緒に背負っている過去を、息子が手を伸ばしてたぐり寄せる母との記憶。現代において失われていくもの、残り続けていくものは何か…すべてを忘れていく母が思い出さえてくれたこととは何か…現代に新たな光を投げかける、愛と記憶の物語。
『少年と犬』 馳 星周 著 文藝春秋 (2020年)
【第163回直木三十五賞受賞作】人生の無常と犬の神秘性を描いた全6編を収録。『オール讀物』掲載を単行本化。
家族のために犯罪に手を染めた男。拾った犬は男の守り神になった―男と犬。仲間割れを起こした窃盗団の男は、守り神の犬を連れて故国を目指す―泥棒と犬。壊れかけた夫婦は、その犬をそれぞれ別の名前で呼んでいた―夫婦と犬。体を売って男に貢ぐ女。どん底の人生で女に温もりを与えたのは犬だった―娼婦と犬。老猟師の死期を知っていたかのように、その犬はやってきた―老人と犬。震災のショックで心を閉ざした少年は、その犬を見て微笑んだ―少年と犬。犬を愛する人に贈る感涙作。
『メモリー・ウォール』 アンソニー・ドーア 著 新潮社(2011年)
老女の部屋の壁に並ぶ、無数のカートリッジ。その一つ一つに彼女の大切な記憶が封じ込められていた―。記憶を自由に保存・再生できる装置を手に入れた認知症の老女を描いた表題作のほか、ダムに沈む中国の村の人々、赴任先の朝鮮半島で傷ついた鶴に出会う米兵、ナチス政権下の孤児院からアメリカに逃れた少女など、異なる場所や時代に生きる人々と、彼らを世界に繋ぎとめる「記憶」をめぐる6つの最新短篇集。
『静かなアリス』 リサ・ジェノヴァ 著 講談社(2009年)
アリスは50歳になったばかりのハーバード大学教授。ある日、地位に名誉に恵まれた彼女に異変が起こった。講演中に言葉を思い出せなくなり、病院に行くと若年性アルツハイマー病と診断される。そのとき彼女は、そして家族は……。著者のリサ・ジェノヴァは、ハーバード大学で神経科学の博士号を取得した神経科学者で、米国アルツハイマー協会のコラムニストでもあり、本書は認知症患者たちとの対話から生まれた。『静かなアリス』は2015年に『アリスのままで』のタイトルで映画化された。
『テッドがおばあちゃんを見つけた夜』ペグ・ケレット 著 徳間書店(2011年)
中学一年の少年テッドは、両親とアルツハイマー症候群のおばあちゃんと共に、小さな町に暮らしている。ある日、町で銀行強盗事件がおきた。犯人は、未だ逃走中。その晩テッドは、おばあちゃんとの留守番中に、銀行強盗とそっくりな風貌の、あやしい男に出くわす。テッドは男に無理やり車に乗せられ…男はいったい誰? テッドは無事逃げられるのか? 置きざりにしてしまったおばあちゃんは? 危機を乗りこえ身近な人の大切さに気づいていく少年の成長を描いた、スピード感あふれる物語。
まとめ
さて、今回は「認知症」が題材のおススメ小説をご紹介しました。気になる作品がありましたら、是非チェックしてみてください。