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認知症予防コラム

認知症を知ることができる世界の映画7選

2020年07月01日

「認知症」をテーマにした映画作品は、国内外問わず多くあります。認知症患者自身の心情、認知症患者に関わる周りの方の苦悩や葛藤、そしてそれを乗り越えるために必要な愛などが多くの作品で表現されています。認知症や介護に直接関わっていない方でも、認知症をテーマにした映画を見ることで「認知症」と戦う本人や周りの方を知ることができます。

今回は、認知症を理解できるだけではなく、一つの作品としても楽しめる世界の映画を6本ピックアップしてご紹介します。

虹のかけら (2023 日本)

記憶と忘却の狭間で交差する親子の絆を描く物語。

あらすじ

認知症を患う母・佳代子と共に人生を歩む娘・芽衣。家族の大黒柱でもある父親は、六年前に逝去した。認知症が原因で、徐々に変わり果てていく母と過ごす彼女には、友達も恋人もいない。彼女の人生は、孤独と疲労の渦の中。夜間徘徊も目立って来た母を養うために芽衣は、否応無く夜の世界に身を置いていた。芽衣にとって、心を許せる相手は極わずか。そんな彼女には、昔から母に対する心の凝りを抱えていた。芽衣は、母親が認知症を患うまで、向き合えなかったある過去と面前に対峙しようとするのだが…。

長いお別れ (2019 日本)

認知症の父親とその家族を描いた中島京子の小説「長いお別れ」が映画化。蒼井優、竹内結子ら出演。

あらすじ

父・昇平(70)の誕生日で久しぶりに集まった娘たちは、厳格な父が認知症になったという事実を告げられる。日に日に記憶を失っていく昇平の様子に戸惑いながらも、そんな昇平と向き合うことで、家族が自分自身を見つめ直していく。そんな中、家族の誰もが忘れていた思い出が、昇平の中で息づいていることがわかる…。一家の長女・麻里役を竹内結子、次女・芙美役を蒼井優、母・曜子役を松原智恵子が務め、認知症を患う父・昇平を山崎努が演じた。

徘徊 ママリン87歳の夏 (2015 日本)

徘徊距離3,000km以上の大ヒット・ドキュメンタリー映画。

あらすじ

大阪の大都会ド真ん中に、ちょっと訳ありの母と娘が住んでいる。母は認知症、娘は自宅マンションでギャラリーを営む。昼夜の別なく徘徊する母を見守る娘の姿は、近所の誰もが知っている。徘徊モードが一息つけば、母娘一緒に居酒屋やバーにも寄る…そんな二人の生活は6年になる。認知症と共に暮らすとは…老いとは…人間とは…。認知症映画のイメージを変えた話題の一作。

明日の記憶 (2005 日本)

渡辺謙、樋口可南子ら主演。

あらすじ

広告会社で部長としてバリバリ働く主人公・佐伯雅行。仕事でもプライベートでも、順風満帆に見えた彼だが、突如物忘れが激しくなり、めまいや幻覚といった不可解な体調不良が襲う。妻の枝実子に促され、病院を訪れ診察を受けた結果、医師から若年性アルツハイマー病という診断を下される。生きる意味を根本から問い直す、主人公と妻。忘れていくことへの怖れ、もがき苦しみ、それでも生きることを諦めない道を選んだ夫婦の姿が胸を打つ作品。

LONG LONG VACATION (2018 米国)

あらすじ

夫婦生活も早半世紀。アルツハイマーが進行してきた元文学教師のジョンと、ガンが全身に転移してきた妻のエラ。子供たちは巣立ち、70代にして心残りを遂げる旅に出る。愛用のキャンピングカーに乗り、ジョンが敬愛するヘミングウェイの家があるフロリダ・キーウェストを目指す。二人の歩んできた道を、再び歩き直す旅はやがて…。過ぎ去った時間への慈愛や人生を謳歌する姿を力強く、ユーモラスに描いたヒューマンドラマ作品。

僕がジョンと呼ばれるまで(2014 米国)

アメリカの介護施設で行われた“挑戦”を描くドキュメンタリー映画。

あらすじ

平均年齢80歳以上の米・オハイオ州にある高齢者介護施設。ここに暮らす多くの方が認知症。スタッフのジョンは施設で暮らす方に毎日尋ねる。「僕の名前を知っていますか?」しかし、答えはいつも「いいえ」。そんな彼女たちが挑戦したある取り組みが、彼女たちの毎日を変えていく…。

私の頭の中の消しゴム (2014 韓国)

若年性アルツハイマーを描いた映画。日本で公開された韓国映画史上第1位の興行収入を記録した作品。

あらすじ

主人公は建設会社社長令嬢のスジン。建設工事現場で現場監督として働くチョルスと互いに惹かれ合い結婚する。幸せな日々を送っていた矢先、スジンが若年性アルツハイマー病に侵されていることが判明する。日々失われていくスジンの記憶をつなぎ止める術はなく、遂には夫のチョルスのことさえ記憶から消えていく。チョルスは葛藤を覚えながらも、彼女を大きな愛で受け止め、支え尽くす決意をする…。タイトル『私の頭の中の消しゴム』の由来は、主人公・スジンの台詞「私の頭の中には消しゴムがあるの」である。

まとめ

さて、今回は認知症を知ることができる6つの映画をご紹介しました。高齢化社会が叫ばれる日本社会ですが、介護や認知症は世界各国の共通の問題でもあります。「認知症」と戦うご本人、周りの人がどのように問題に対処し、乗り越えていったのかを知ることで、これからの人生のヒントになるかもしれません。気になる作品がありましたら、是非ご覧になってみてください。