冬野菜は栄養が濃い! ~予防もできるあったか料理~
2021年01月05日
目次
1月 冬野菜ポトフ
今回は4回目。
毎回、認知症予防に効果のある食材を使って特別メニューでお伝えします。
寒い時期、認知症予防に良い冬の食生活は?
新しい年!今年も元気に過ごしたいですね。でも寒い冬、家の中でゴロゴロ。
じっとしていると何かモグモグ。知らない間に体重が増えてしまっていませんか。
体重管理は認知症予防にも重要です。
さて、ここで質問。冬に太らないコツは次のどれでしょうか。
- 夕食は白米を食べない
- 朝ごはんを抜く
- 三食、冬野菜をたっぷり食べる
正解は、3.の「三食、冬野菜をたっぷり食べる」です。
さて、続いて問題です。野菜をたっぶりと言っても、どのくらい?
1日の野菜摂取の目標量は次のうちどれでしょうか。
- 生サラダで1皿(70g)程度
- 温野菜で3皿(210g)程度
- 生や茹で、炒めなどで5皿(350g)程度
正解は、3.の「生や茹で、炒めなどで5皿(350g)程度」です。
1日に5皿が目標ですが、皆さんは1日に野菜を何皿食べていますか。 「5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)」とは健康的な食生活のために野菜を食べることを啓発する活動として1991年にアメリカで生まれました。我が国では厚生労働省と農林水産省が示した食事バランスガイドがそれにあたります。現在、日本以外に、イギリス・オーストラリア・カナダ・デンマーク・ドイツ・ハンガリー・オランダ・ノルウェー・スウェーデン・ニュージーランドなど、約30カ国で取り組まれています。
5皿食べるのはなかなか大変ですが調理法をいろいろと変えると栄養素を効率よく摂ることができ、満足感がアップして飽きずにおいしくいただけます。
冬野菜をうまく活用して認知症予防!
寒さの厳しい時期はぜひ冬野菜を上手に活用しましょう。
冬野菜ってどんな野菜でしょうか。今は一年中出回る野菜も多くなり、旬がわかりにくくなっていますね。秋から冬にかけておいしくなる野菜はこれらです。
大根、かぶ、人参、春菊、白菜、ほうれん草、チンゲン菜、
みず菜、小松菜、ねぎ、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、
芽キャベツ、ごぼう、れんこん など
寒い時期に旬を迎える冬野菜はじっくり根を張ってゆっくり育ちます。冬野菜の代表選手は根菜類と葉菜類。寒さというストレスに耐えるためにも葉野菜も葉に厚みが出て、自らが凍らないように水分を減らすので味わい深くなります。認知症予防に良いと言われるビタミンA・C・Eなどの抗酸化ビタミンが濃くなります。
ちなみにほうれん草は冬野菜ですが、夏場に比べて3倍のビタミンAが含まれます。同じ量を食べても3倍も抗酸化ビタミンが摂取できるなんてお得ですね。
しかも野菜類はたっぷり食べても低エネルギーです。
アブラナ科の野菜を積極的に!
野菜をたっぷりとることは、がん、脳血管疾患(脳梗塞、脳出血)、心血管疾患(心筋梗塞など)、糖尿病、高血圧などの予防に効果があることは多くの研究から示されています。冬野菜に多いアブラナ科の野菜には「グルコシノレート」という成分が含まれています。グルコシノレートは調理や消化によって「イソチオシアネート」という物質に分解されますが、この物質は発がん物質の解毒を促進する佐生があることが報告されています。イソチオシアネートは辛み成分でもあり、抗酸化作用が強いことも特徴です。アブラナ科の野菜は他にもβカロテン、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化ビタミンが豊富!ぜひ積極的に食べましょう。
ところで、アブラナ科の野菜をいくつ知っていますか?
特徴は、以前はジュウジバナ科ともいわれたように花弁が4枚で十字架のように見える。そして野菜を切った時の軸を見たら五角形。わかるかな。
アブラナ科の野菜
ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、大根、かぶ、みず菜、小松菜
カイワレ大根、キャベツ、白菜、チンゲン菜、クレソン、芽キャベツ、なばな、
ラディッシュ(ハツカダイコン)、高菜、ターツアイ、ケール、ワサビ、からし菜
冬野菜はじっくり火を入れてうま味を引き出す調理がオススメ。
まさしく煮込み料理や鍋、スープなど。材料の組み合わせも重要です。
根菜類とともに体を温める生姜や唐辛子は抜群の組み合わせ。
自律神経を活性化しますし、脂肪を燃焼させる効果もあります。また、認知症を予防するための食事スタイル「マインド ダイエット」の研究で積極的に摂りたい10種類の項目(様々な具材で鍋料理 ~認知症予防鍋を作ろう~)と鶏肉も一緒に煮込むと良いでしょう。
今回は脂肪の少ない鶏肉を使って
「冬野菜と鶏肉のポトフ ピリ辛生姜風味」
を紹介します。
とにかく鶏肉と昆布のダシで煮込むだけ!とっても簡単です。
どっしりした力強い冬野菜を見つけたらザクザク切って鍋で煮込んで作ってみましょう。いろいろと組み合わせを変えると味に変化が出ます。生姜と唐辛子で体も心もぽっかぽか!
1月の献立:体がぽかぽか ~冬野菜と鶏肉のポトフ ピリ辛生姜風味~
材料(2人分)
- 鶏手羽元 4本(約240g)
- 冬野菜 皮つきで約450g
- カブ 中1/4本
- 白菜 葉2枚(120g)
- 人参 小1本(70g)
- 紅大根 小1本(70g)
- 生姜1片(10g)
- 唐辛子1本
- 昆布水出し
昆布 5cm 2本
水 500ml(2と1/2カップ) - オリーブオイル 小さじ1
- しょうゆ 小さじ1
- 塩 適宜
冬野菜
根菜類を中心に皮つきで450g(3~4種)くらい用意します。
1人分が正味200gあればバッチリ。
作り方
①野菜を洗い、カブや大根などは皮を剥き、少し大きめの乱切りにする。
(根菜類は軽く面取りしておくと煮崩れしにくく形よく仕上がる。)
②分量の水(500ml)に昆布を20~30分程度浸して、昆布水出しを作っておく。
③鍋にオリーブオイルを加えて温め、鶏肉に焼き色がつく程度に炒めて②の昆布と水を加える。
④冬野菜を鍋に入れて弱火~中火でやわらかくなるまで煮る。
⑤沸騰したらアクをとり、醤油や塩で味を調えて皿に盛ってできあがり。
健康度 | ★★★ |
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おいしさ度 | ★★★ |
簡単度 | ★★★ |
河口 八重子
Nuts Create(ナッツ クリエイト)代表
URL: http://nutscreate.com/
国立病院機構 京都医療センター
臨床研究センター 予防医学研究室
研究員・管理栄養士