予防のためのサービス
市区町村に加え、企業によるサービスも続々登場しています。
体操やカフェ、脳トレ、そろばん
パチンコなど多彩なサービス内容
国は2019年にまとめた認知症施策推進大綱で、「共生」と「予防」を認知症対策の2本柱として推進することを表明しています。
共生と予防
「共生」とは「認知症の人が、尊厳と希望を持って認知症とともに生きる、また、認知症があってもなくても同じ社会でともに生きる」こと、「予防」は「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」ことを意味するものです。
市区町村の取り組み
推進の流れを受け、全国の市区町村も認知症の予防に関する取り組みを強化しています。そのなかで、多くの市区町村が採り入れている活動のひとつが認知症予防に効果のある体操教室の開催です。
高知市で生まれた「いきいき百歳体操」は多くの市区町村に広がり注目をあびました。このほか、トレーニングマシンを使った筋力強化教室、情報交流や相談ができるカフェやふれあいサロンの開催など、各市町村が独自の取り組みをしています。
企業による認知症予防サービス
企業による認知症予防サービスも増えています。介護事業者による脳トレや体操などのプログラム提供に加え、異分野からの参入も拡大しています。
教育指導のノウハウがある大手学習塾は認知症予防のための学習療法を開発し、高齢者施設などへの普及を図っています。また、そろばん教室の運営会社がそろばんを使った認知症予防レッスンを提供したり、大手スポーツジムが認知症予防の独自の運動プログラムを開発するなどし、市区町村や高齢者施設向けに提供しています。
多彩な認知症予防サービスが誕生
趣味の分野からの認知症予防として、音楽やパチンコを活用した認知症予防プログラムなどもあります。
監修:新井平伊医師(アルツクリニック 東京院長)