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認知症予防コラム

玉ねぎとニンニクを使った食事で動脈硬化を予防しよう!

2023年04月06日

玉ねぎとニンニクには動脈硬化予防や抗酸化作用、抗炎症作用などさまざまな健康効果があることが報告されています。しかし、玉ねぎやニンニクはデリケートな食材でもあり、食べ方や調理の仕方によってはせっかくの栄養を逃してしまうことがあります。
そこで今回は、玉ねぎとニンニクの栄養素を逃がさない食べ方や調理法について解説していきます

玉ねぎとニンニクに含まれる成分の健康効果

玉ねぎやニンニクなどユリ科の植物には硫化アリルという成分が含まれており、玉ねぎにはケセチンという成分が含まれています。ケルセチンは特に玉ねぎの皮の部分に多く含まれ慢性疾患の予防に役立つといわれています。
硫化アリルとケルセチンの健康効果は以下の通りです。

硫化アリルの効果

・殺菌作用
・抗酸化作用
・血液をサラサラにする作用
・食欲増進作用
・疲労回復作用

ケルセチンの効果

・抗炎症作用
・抗酸化作用
・血流を改善する効果
・動脈硬化を予防する効果

※玉ねぎとニンニクに含まれる有効成分や健康効果に関する詳しい解説は、当認知症コラム内の「 玉ねぎとニンニクで動脈硬化を予防!」に掲載しています。 

玉ねぎの調理方法とレシピ

硫化アリルは玉ねぎの辛み成分のもとですが、加熱することで辛み成分が甘み成分に変わってしまうため血液をサラサラにする効果を期待するのであれば、生のまま食べた方が良いといわれています。ただし、生の玉ねぎは刺激が強いため、食べすぎに注意してください。

玉ねぎは繊維を断ち切るようにスライスして、15分〜60分ほど空気にさらします。玉ねぎの細胞を壊すことで硫化アリルが空気に触れ、血液サラサラ成分であるアリシンに変化して効果が増します。玉ねぎを切った後、辛みを取るために水にさらすことがありますが、そうすると有効成分が水に溶け出すためここでは空気にさらす方法を紹介しています。
また、アリシンはビタミンB1の吸収を高める効果もありますのでビタミンB1が豊富な食材を一緒に摂るとより効果的です。硫化アリルには血栓を防ぐ作用があることが分かっていますが、これは硫化アリルが脂質と結合することで、ビタミンEと同じような抗酸化性を発揮するためです。そのため、玉ねぎを油と組み合わせて食べることもおすすめです。

では、玉ねぎに酢と油を加えた玉ねぎドレッシングを紹介します。

★玉ねぎドレッシングの作り方 (NHKためしてガッテンで紹介されたレシピより)

・玉ねぎ 2~3個
・砂糖   大さじ3
・塩    大さじ1
・酢    150cc ~ 200cc  
・サラダオイル 150cc ~ 200cc 
・醤油   100cc
・みりん  100cc
・酒    100cc

①玉ねぎの皮をむいて繊維を垂直にカットするように薄くスライスしてバットに広げる。
15分以上〜1時間未満空気にさらす ※水にはさらさない 

②清潔なびんに玉ねぎとドレッシングの材料を入れて振りまぜる。

翌日から食べられますが数日おくと玉ねぎの辛みが和らぎます。
野菜サラダにはもちろん、豚肉や鶏肉にかけたり、食材の下味として使ったりすることができます。

★酢たまねぎ (やっぱり体に効く! 酢玉ねぎレシピより)

・玉ねぎ 1個
・酢     200cc
・はちみつ 大さじ2

①玉ねぎの皮をむいて縦半分に切り、芯や芽を取り除いてみじん切りにする。

※切り方はスライスでも可。どちらも作っておけば料理の幅が広がります。
15分以上〜1時間未満空気にさらす ※水にはさらさない 

② 鍋に酢とはちみつを入れ弱火ではちみつを溶かす。

③ ②の鍋に玉ねぎを加え、かき混ぜながら弱火から中火で2〜3分加熱する。

④あら熱が取れてから清潔なびんに移し、冷めてからふたをして、冷蔵庫で保存する。

冷蔵庫で2週間程度保存が可能です。
酢たまねぎはそのまま食べても良いし、タルタルソースやポテトサラダに入れても良いです。また、蒸し鶏や南蛮漬けのタレに応用できます。
なお、玉ねぎ1個の目安は200~300gとなっています。
酸味が苦手な方はお酢を多少減らしても構いません。

★たまねぎの皮の利用

玉ねぎの皮は10分ほど煮出して出汁やお茶にできます。
※長く煮ると渋味が強くなります。

ニンニクの調理方法とレシピ

ニンニクはビタミンB1と一緒に食べることで疲労回復や滋養強壮の効果をより多く発揮します。
にんにくの健康成分であるアリシンは、熱や水に弱く生のまま食べるのがおすすめですが、刺激が強くたくさん食べると粘膜を傷つけてしまいますので注意しましょう。

★すりおろしニンニク

生ニンニクをすりおろすかニンニク絞り器で絞ります。
ローストビーフやカツオのたたきなどの薬味にしても美味しいです。
※ニンニクに含まれるアリシンは空気中に放出される性質があるので、食べる直前にすりおろしましょう。
ニンニクを生で食べる場合は1日1片以内が良いでしょう。

★ニンニクのはちみつ漬け

材料は、ニンニク1房に対し、はちみつ100g

①にんにくの房をばらして根元を切り落とし、皮をむく。

②清潔なビンに①のニンニクを入れ、はちみつを注ぐ。
※ニンニクが空気に触れないようにはちみつで満たす。

冷蔵庫または冷暗所で3カ月以上置くと食べごろです。
食べてみて刺激が強ければ、さらに1~2カ月漬け込んでください。

★にんたまジャム (「にんたまジャム」健康レシピより)

ニンニクと玉ねぎが両方入ったジャムを管理栄養士の村上祥子さんが考案されています。
ニンニクと玉ねぎの相乗効果により風味が増して美味しくなります。

・玉ねぎ  500g (正味)
・ニンニク 100g (正味)
・砂糖   60g 
・レモンの搾り汁 大さじ2 
・水    100cc

①玉ねぎは皮をむき、上側と根を切り落とす(玉ねぎが大きいときは2〜3等分する)。
ニンニクも皮をむく。

②耐熱ボウルに①を入れ、水を注ぎ両端を開けてラップをし、電子レンジ600Wで14分加熱する。

③汁も一緒にミキサーに移し入れ、砂糖、レモン汁を加え、なめらかになるまで回す。

④③の中身を耐熱ボウルに移し、ラップをせずに電子レンジ600Wで6分加熱する。

⑤熱いうちに完全に乾燥しているびんに移しふたをする。常温で1カ月、開封後冷蔵で3カ月保存できる。

にんたまジャムは料理の下味やソースに入れて活用できます。

おわりに

身近な食材である玉ねぎとニンニクには驚くような健康効果があり、日々の食事にぜひ取り入れたい食材ですね。今回ご紹介したドレッシングやジャムなどは保存が利き、いちど作っておくと毎日の食卓に取り入れやすくなるため、忙しい方にもおすすめです。
動脈硬化や血栓が心配な方は、ぜひお試しください。

参考文献
① NHK科学番組編, NHKためしてガッテン血液サラサラ健康レシピ 旬を味わう四季のメニュー, アスキー(2001)
② 村上祥子著, にんたまジャムで作る免疫力スープ, ブックマン社(2014)
③ 小林弘幸監修, やっぱり体に効く! 酢玉ねぎレシピ, 扶桑社(2022)