プラズマローゲンの経口摂取で、認知機能が改善
2021年03月26日
最近よく耳にする「プラズマローゲン」という言葉。
プラズマローゲンとはリン脂質の一種で、主に脂肪の蓄積や運搬に関わっています。
リン脂質が不足するとコレステロールが血管に溜まりやすくなり、成人病を引き起こす原因となります。このリン脂質の中でも特に脳や心臓、骨格筋など、酸素をたくさん消費する部位に多く存在するのがプラズマローゲンです。
プラズマローゲンは、高い抗酸化作用によって活性酸素や紫外線、飲酒、喫煙などによる酸化ストレスから私たちの身体を守る働きをしていますが、加齢に伴って減少することが分かっています。
これによって、酸化ストレスから生じた酸化物質が蓄積し、様々な病気が引き起こされます。高齢者に多くみられるアルツハイマー病もそのひとつで、脳内のプラズマローゲンが減少することで脳細胞が保護されなくなり、発症すると考えられています。
プラズマローゲンとアルツハイマー型認知症の関連性については、これまでさまざまな研究がされており、プラズマローゲンの経口摂取によって、認知機能(記憶)が改善すること、血中プラズマローゲン濃度が上昇することが示されてきました。
代表的なものとしては1995年アメリカで、ドナー提供された脳の解剖によって、アルツハイマー型認知症患者にプラズマローゲン量の有意な減少が発見されました (J Neuropathol Exp Neurol.1999 Jul;58(7):740-7)。続いて2007年にはアルツハイマー型認知症の血清でも、その低下が認められました (Journalof Lipid Research48:2485-98,2007)。
他にもプラズマローゲンの効果については世界中で発表されています。日本では九州大学名誉教授である藤野武彦医師を中心とする研究チームが、ホタテから抽出した「プラズマローゲン」という物質を継続的に経口摂取することで、軽度のアルツハイマー型認知症患者の記憶力などが改善したと発表しました。
藤野医師たちは60~85歳の軽度のアルツハイマー型認知症(以下AD)と軽度認知障害(MCI)の328人を対象に、次のような臨床試験を行いました。対象者を、プラズマローゲンを含む食品を摂取する群、含まない食品(プラセボ)を摂取する群に分けて記憶力を調べる検査(WMS-Rウエクスラー記憶検査)を行ったところ、軽度ADの患者でプラズマローゲンを摂取した群は検査結果が改善し、顕著にプラセボ群との差がみられました。また中度AD、重度ADを対象とした試験も実施したところ、中度ADの方々の約半数が、重度でも約3割が改善したという報告がありました。
認知症予防は運動や規則正しい生活習慣を送ることが大切だと言われていますが、このような認知症に効果がある可能性が高い成分は試してみたいものですね。
では、プラズマローゲンの摂取はどのような方法が効率的なのでしょうか。
認知症に有効といわれている成分の多くは食事面からのみでは摂取が難しいといわれていますが、プラズマローゲンも同様で、サプリメントから摂取している方が多いようです。現在、プラズマローゲンのサプリは様々な健康食品会社より販売されています。
発売当初は主に鶏肉から抽出されたものを使用していたようですが、最近はホタテ貝やホヤから抽出したプラズマローゲンを使用しているものが多くなっているようです。
サプリメントについては、続けやすく、ご自身のライフスタイルに合ったものがおすすめですが、参考までに先ほどの九州大学名誉教授である藤野武彦医師監修のものをご紹介いたします。
認知機能の一部(記憶力)を維持する「高純度プラズマローゲン」。
原材料を一から見直し、新たに選んだ国産の生ホタテ貝から抽出したプラズマローゲンであることが特徴のようです。
●販売元 アドバンスト・メディカル・ケア
https://www.suppli-tm.com/Page/pls.aspx
さて今回のコラムでは「プラズマローゲン」についてご紹介いたしました。
今後も認知症予防につながる成分などご紹介していきますので、是非ご参考になさってください。