早期発見!MCI・アルツハイマー病チェック項目
2020年09月14日
MCIやアルツハイマー病は気が付くのが早いほど、元の状態に戻ったり進行を遅らせたりすることが可能になります。ご自身やご家族の様子に違和感を覚えたら、「寄る年波には勝てない」と見過ごさず、予防の対策を検討しましょう。次のチェック項目が参考になるかもしれません。
MCIチェック項目
□ 「あれ、何をしようと思ったんだっけ?」が、なかなか思い出せない
□ レジで会計する時に小銭が使えず、お札で済ませてしまう
□ 「え、約束してた?」人と会う約束を忘れたことがある
□ スマホや家電製品の操作にまごつくことが増えた
□ 1日や1週間のスケジュールが組めない、段取りが悪くなった
□ 「つまらなくなった」長年の趣味への関心が薄れてきた
□ 知っている場所へ行こうとして、道を間違えたり、迷う
□ 同じことを何度も言ったり尋ねたりする
□ 探しものが増えている
□ 何かやろうとしても「まあいいか」と思ってしまう
□ 外出することが減った
□ 今日の日付が言えない
5個以上心当たりがある場合はMCIの可能性が考えられます。
MCIの診断基準
専門医がMCIと診断する際には以下の条件を確認します。
- 記憶低下が認められる
- 日常生活に支障はない
- 認知症の診断は下っていない
アルツハイマー病の徴候
ごく初期のアルツハイマー病には特徴的な兆候があると言います。
- においが分からなくなる
- 物覚えが悪くなる
- 整理整頓、計画や計算ができなくなる
アルツハイマー病の注意すべき10のポイント
MCIでは日常生活に支障はありませんが、症状が進むと通常の加齢によるものとは言えない行動が目に付くようになります。次のような症状がみられる場合には、早めに専門医に相談することをおすすめします。
- 日常生活に支障をきたす程度の物忘れ
最近のできごとを覚えていなかったり、重要なできごとや予定を忘れてしまう、同じことを繰り返し尋ねることがある。メモや家族に頼る頻度が高くなった。 - 計画や問題解決が難しくなる
レシピに従って調理したり、月毎の支払いを管理するのが難しいことがある。集中力がなくなり、慣れた作業に時間がかかるようになった。 - 慣れているはずの作業が困難になる
行き慣れた場所へ行けなくなったり、職場の予算管理が難しくなる、何度もやっているゲームのルールを思い出せないことなどがある。 - 時間や場所の混乱
日付、季節、時間の認識ができなくなることがある。今起きていること以外の理解が難しくなり、自分がどこにいるのか、どうやってここに来たのかが分からなくなってしまう場合がある。 - 視覚と空間的相関を認識できない
距離や色、コントラストの認識が難しくなる。自分が鏡の前を通り過ぎたのに、鏡に映ったのが自分自身だと分からず、誰かが部屋の中にいると誤解することなどがある。 - 会話や書き言葉に変化が出る
会話についていけなくなったり、話している時に言葉が出てこなくなったり、どうやって会話を続けるのか分からなくなる場合がある。語彙が減少し、的確な言葉が見つからず、物の名前を間違えることが出てきた。
例:「腕時計」を「手の時計」と呼ぶ - 物を置き忘れたり、記憶をたどることができない
通常では置かないところに物を置いてしまう。物を失くした時に、記憶をたどることができず、誰かが盗んだと責めることがある。 - 判断力が乏しくなる
判断力や決断力に変化を感じることがある。詐欺の勧誘だと判断・認識できずに多額のお金を払ってしまったり、身だしなみにも注意を払わなくなることが出てくる。 - 仕事や社交的活動をやめてしまう
趣味、社交的活動、仕事のプロジェクトをやめてしまう事があります。好きだったスポーツチームの動向を追えなくなったり、趣味の活動を最後まで終わらせることができなくなる。自分の変化に気付き、それを隠そうとするように社交の場を避ける傾向がある。 - 気分および性格の変化
混乱、疑心、抑うつ、怯えたり不安がったりと、気分が不安定になることがある。家庭や職場、友人に対して、あるいは自分にとって快適な場所を離れると動転することがある。
変化に最初に気付くのはご自身や家族です。ごく初期のサインを見逃さず、予防に取り組み始めることができると理想的ですが、「これくらいなら大丈夫、予防なんてまだ早い」と見過ごしてしまうケースが多いでしょう。症状が進んでしまってから後悔するよりも、一度足を止めてじっくり向き合ってみませんか。
日常生活の中では気が付けない場合も、リスクが数値化されて、現在の身体と脳の状態を知ることができる検査があります。
MCIスクリーニング検査はアミロイドβを排出する力を持つたんぱく質を測定する検査です。脳に老廃物がたまりやすい傾向にないか、客観的な数値で確認することができます。また、この検査を定期的に受診することで、脳の変化に気付く手段としても利用されています。
出典:
- 医療法人社団創知会メモリークリニックお茶の水理事長 朝田隆先生
- アルツハイマー病協会
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