きのこには秘密がいっぱい ~ビタミンDで老化防止~
2021年09月03日
9月 自家製なめたけ
今回が最終回。
今回も、認知症予防に効果のある食材を使って特別メニューをお伝えします。
いよいよ味覚の秋がやってきました。木の実や果物、根菜類、魚などさまざまな食べ物がおいしくなる季節でもあります。その中でも今回はきのこの魅力に迫ります。北欧ではこの季節、家族や友だちと森に出かけます。森にはきのこがいっぱいです。きのこ狩りは楽しいです。
きのこの種類
きのこの種類はわが国だけでも4,000種類以上はあると言われていて、そのなかで食用とされているのは約120種類です。
きのこ狩りを楽しむ北欧のお話をしましたが、森に入るといろいろなきのこに出くわします。どれが食べられるきのこかの知識をきちんと持つことが基本です。
きのこの栄養
きのこは脂肪もたんぱく質も少なく、100g食べても15~20kcalと非常に低カロリーです。そしてなんといっても食物繊維がとても豊富です。食物繊維は第五回目でもお話していますが腸内細菌のエサになり、お通じを良くするだけでなく癌や認知症予防のためにしっかり摂りたい成分です。
さらにきのこは、ビタミンDの母体であるエルゴステリンの含量が比較的多いのです。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨粗しょう症予防にもとても重要です。そして気になる老化との関連で最近の研究ではビタミンDを摂ることによって老化を進める原因となる物質(AGEs:終末糖化産物)が減ることと関連があるとの報告(http://www.jbiomed.com/v01p0001.htm)や、筆者の研究でもきのこを食べることは多いに老化防止との関連がありそうです。きのこには秘密がまだまだたくさんですね。おいしく食べたいものです。
というわけで今回は
電子レンジでかんたんにできる「自家製なめたけ」
を紹介します。
9月の献立:まぜてチン!なめたけ ~混ぜるだけでできる自家製なめたけ~
材料(各2人分×2回)
- えのきたけ 1袋(200g)
調味料
- 酒大さじ 1弱
- しょう油大さじ 1弱
- さとう大さじ 1/2
- 三つ葉またはあさつき 適宜
作り方
①えのきたけは根元を切り落とし、約2~3cmに切ってほぐしておく。
②①を耐熱ボウル(または皿)に入れて、調味料を加えて混ぜ、電子レンジ(600w)でラップをせずに約3分加熱。
③取り出してよく混ぜ、さらに盛り付けて青みを添えたらできあがり♪
鍋かフライパンで煮詰めてもかんたんです。
だしを少々加えるとうま味が増します。
わたしのワンポイント
- 材料えらび:玉ねぎの薄切りを混ぜると甘味が出ておいしいです。その際は、鍋やフライパンで水分を飛ばしながらやる方が簡単です。
- 具として活用:つくねや餃子の具に混ぜて使えます。味もついているのでOK。さめてもやわらかくてとてもおいしいのでお弁当にも最適です。
- 食べ方:ご飯と一緒にいただくだけでなく、野菜と合えたり、豆腐にかけて。
健康度 | ★★★ |
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おいしさ度 | ★★★ |
簡単度 | ★★★ |
河口 八重子
Nuts Create(ナッツ クリエイト)代表
URL: http://nutscreate.com/
国立病院機構 京都医療センター
臨床研究センター 予防医学研究室
研究員・管理栄養士