歯周病菌がアミロイドβを産生
2020年09月10日
歯周病菌がアミロイドβを産生するという報告により、歯周病予防の重要性が再認識されました。歯周病菌は多くの生活習慣病と関連していますが、歯周病菌の中でもPG菌は認知症や循環器疾患の発症に関与するとの報告があがっています。歯周病菌を投与したマウスの肝臓でアミロイドβが産生されていることも新たに報告されています。
九州大学と中国の吉林大学の共同研究グループの研究により、歯周病患者の歯周組織でアミロイドβが産生されること、また、歯周病菌の一つであるPG菌に感染していると肝臓でアミロイドβを産生することが分かりました。同時に、タンパク質分解酵素のカテプシンBが歯周病に伴うアルツハイマー型認知症の誘発及び病態進行に関与していることも報告されています。
認知症は根治薬がないことから、認知症発症につながる原因を取り除き、予防することが重要です。アルツハイマー型認知症の発症を遅らせるためにも、丁寧な口腔ケアと定期的な歯科検診で、歯周病予防を心がけましょう。
また、今後の予防薬の開発にカテプシンB阻害薬が貢献することも期待されます。
引用:
J Alzheimers Dis(2019年10月1日オンライン版)