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認知症予防コラム

長期肥満は認知症の危険因子

2022年02月01日

岐阜大学の研究報告によると、肥満の長期化にともなって、脳の発達に必要な海馬神経新生細胞の発現が抑制されることが明らかになった。

認知症に対する運動の効果として、海馬の神経新生と脳由来神経栄養因子の誘導が期待されている。しかし、認知症発症での神経新生への作用機構についてはよく分かっていない。

研究グループは、肥満のモデルマウスを用い、海馬神経新生への作用の検討を行った。その結果、肥満の長期化にともない、海馬で小胞体ストレスが活性化するとにより、脳の発達に必要な海馬神経新生細胞に現れるダブルコルチンmRNAが小胞体ストレス誘導性マイクロRNAにより分解されることを明らかにした。

小胞体は細胞内小器官のひとつで、分泌機能をもつ細胞に多く含まれる。また、ダブルコルチンは微小管結合タンパク質で、細胞移動に関与する。ダブルコルチンが変異したマウスでは海馬機能の障害があらわれることが知られている。

加齢にり海馬神経新生は低下するが、アルツハイマー病では健康人に比べ、ダブルコルチン陽性細胞数の減少がさらに進む。また、アルツハイマー病の予備群と考えられる軽度認知障害でも、海馬神経新生の減少がみられる。

 「”海馬神経新生-小胞体ストレスの活性化-マイクロRNAの発現-ダブルコルチンmRNAの分解”という、肥満による認知症発症の機構を明らかにした。これをターゲットとし、このシグナル経路を制御する方法の開発し、認知症の発症を遅らせ進行を緩やかにすることを目指す」と、研究グループでは述べている。

引用:

・糖尿病リソースガイド(2022年1月25日
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